「編集長の視点」では、日経ビジネス編集長が毎号、その編集の狙いと読者へのメッセージを書き下ろします。「取材の現場から」では注目記事を担当した記者が取材を通して感じた思い、こぼれ話などを語ります。
シリーズ
編集長の視点/取材の現場から

585回
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アジア人材に選ばれ続ける国に
コンビニ、居酒屋、工場、介護施設……。人手不足が深刻な職場で外国人の姿を目にすることが当たり前になりました。そのうち4割強が東南アジアから出稼ぎに来た労働者。すでに彼らの働きを抜きにして日本経済は回らないのが現状です。
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人的資本経営の土台を腐らすな
少し前の日本経済新聞の調査ですが、大企業の健康保険組合の4割で2009~19年度の間に健康診断などに使う1人当たりの保健事業費を減らしていたことが分かりました。高齢者医療費の増大による財政悪化で、現役世代への支出を削ると…
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就活戦線はなぜ変化が速いのか
今春、2024年卒採用の面接官を務めて驚きました。どの学生も「優秀」なのです。準備万全、当意即妙。学業への取り組みも入社後にやりたい仕事もすらすら答え、「最近読んだ日経ビジネスの〇〇の記事が面白かったです」という心憎いア…
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参謀を使いこなす経営者の力量
漢の張良、蜀(しょく)の孔明、戦国の竹中半兵衛・黒田官兵衛。歴史に名高い参謀の共通点は、主君が貧しい出自で人使いにたけた人物であることです。『参謀の思考法』を著したブリヂストン元社長の荒川詔四さんは、トップとして参謀を求…
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職住分離も暮らし方のひとつ
家庭菜園ができるバルコニーが広いマンションに住み替えたいと思い立ち、自宅近くで最近発売された新築物件に足を運んでみたのが間違いでした。提示された価格はどの部屋も8000万円台。近年のマンション価格高騰は都心の一等地の話だ…
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通信会社は何で稼ぐのか
「通信会社は土管になり、端末メーカーはみんな潰れるよ」。iPhoneが日本に上陸した15年ほど前、NTT首脳がこう予言していました。その後、コンテンツの配信で稼ぐビジネスモデルは米アップルや米グーグルに奪われ、10社以上…
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大学の授業に競争原理を
2年ほど前、ある大学の教授がこんな話をしていました。「コロナ下でのリモート環境で、先生たちの授業の巧拙が外にばれてしまった。何十年も同じ授業をしているような先生はクビになるかもね」
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永続へ壊すものとつなぐもの
「年を取ると執着が増えて、若い時とは違うことを言い出す方も沢山見聞きして来ましたので、代わるなら早くと思いまして」。1986年の本誌インタビューにこう答えたのは京セラ創業者の稲盛和夫さん。54歳の若さで社長の座を後任に譲…
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新年度は「人」について考える
新しい年度が始まりました。編集長になって3年目の春です。気持ちも新たに、創刊54年目の日経ビジネスの編集に取り組んでまいります。編集方針として毎年、力を入れる重点テーマを決めていますが、2023年度は「ESG(環境・社会…
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多様性を排除する悪意
いじめ、差別、偏見、誹謗(ひぼう)中傷……。人間のコミュニケーションには内面に悪意が潜むものが多くあります。その根源には何があるのでしょう。
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AIに代筆させてみました
「ChatGPT」は自然言語処理を用いた人工知能(AI)であり、翻訳や文章生成などの分野で活躍している。しかし、ChatGPTのようなAIの進化によって、文章生成やコミュニケーションの仕事が代替される可能性もある――。先…
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昭和モデルの壁を破る時
日本経済に賃上げムードが漂っています。口火を切ったのがファーストリテイリングの柳井正会長兼社長。国内従業員の年収を最大約4割引き上げることを決め、多くの経営者の決断に影響を与えました。
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春の来ない冬はない
ロシアのウクライナ侵攻から1年がたちました。市街地に銃弾やミサイルが飛び交い、多くの市民が犠牲になる痛ましい映像に、現実世界とは思えない錯覚に陥ります。戦争をするなら仮想現実の空間で戦火を交えてほしいと思うのは私だけでし…
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安すぎるラーメンの値段
「ラーメン屋。あの美味(うま)さで730円は安すぎる。もうちょっと値上げするべき。(中略)次ラーメン食うときは2000円支払います。必ず」
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それでもやっぱり引き留めたい
編集長になってもうすぐ2年ですが、この2年間だけでも編集部の優秀な人材が何人か転職していきました。「新しい人生のステージに挑戦したい」というのが彼らの思いですが、一緒に仕事してきた仲間が去っていくのは正直、結構へこみます…
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安いニッポンも工場回帰の一因
鹿児島県と長崎県で半導体関連部品や電子部品の新工場建設を決めた京セラ。谷本秀夫社長は昨年秋のインタビューで、その理由について「中国の人件費が高騰しているから」と話していました。
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労働力減少がインフレ招く
過去30年、グローバル化による中国や東欧からの安価な労働力供給が世界にデフレと低金利をもたらしてきたが、今後30年は人口の高齢化などによる労働力減少でインフレの時代に突入する──
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保護主義の波を乗りこなす時代
グローバル化の時代から分断の時代へ、時計の針が逆回転する世界。米国や欧州、中国は自国・地域の産業を保護し、競争力を高めるための規制やルールの網を張り巡らし、分断に拍車をかけています。
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パナが挑む20年目の「創造」
昨年11月、松下電器産業(現パナソニックホールディングス=HD)の6代目社長、中村邦夫さんが死去しました。20年ほど前、その改革への気迫に圧倒されながら取材していた私にとっては、経済記者としての原点ともいえる経営者でした…
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ジレンマなきイノベーション
2025年に世界の製造強国の仲間入りをし、35年に製造強国の中等レベルの位置に到達し、49年には製造強国の前列に立つ──。
WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
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話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
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ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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1000年企業の肖像
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大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
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グルメサイトという幻
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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
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テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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