シリーズ
旗手たちのアリア

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現代のシュリーマンの物語
かつて考古学を志した青年は、発掘資金を獲得するため、米国に渡った。そこで目にしたのは、金融本位の資本主義が崩れていく姿だった。成功者となった今、日本から新たな資本主義を生むことに情熱を傾ける。
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反骨の救命救急医
東日本大震災で災害派遣医療チームDMATの活動を裏で支えた。「救急医療のデッドスポット」と呼ばれた地域で救命救急体制を確立。権威には徹底的に背を向け、患者基点の合理的な組織作りに取り組む。
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気仙沼守る「魂の寿司屋」
復興に向け、地域をまとめるのは平凡な「寿司屋の親父」。津波で消失した商店街を再生し、街作りでも先頭に立つ。自分が生まれ育った「あの頃の気仙沼」を取り戻すために。
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北九州の「無法松」園長
入園者の減少で一度は閉園した小さな動物園を立て直した。やると決めたらやる。責任は自分で取る。弱いものは守る――。無法松精神で市民の憩いの場を守った男の夢は国立動物園構想へ続く。
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ニート支援先駆者の大志
若年無業者らへの就労支援という“ブルーオーシャン”にこぎ出し10年。アイデアを駆使しながら「NPOで働く」道を実践してきた。「若者支援が日本の未来を決める」。信念を胸に社会問題に切り込む。
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介護の地平を切り開く
大学在学中に自閉症児と出会い、介護の道を志す。法制度が未整備だった時代から、有料老人ホームビジネスモデルを模索。他社に先駆け中国への進出を果たすなど、業界の常識を覆し続ける。
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「健診弱者」救うサムライ
日本に3000万人以上存在するという、「健診弱者」。彼らを救うため、齢(よわい)29の青年が医療の厚い壁に挑む。強烈な正義感と合理の精神が彼を突き動かす。
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鉄道に安心捧げる音楽家
日本を代表するキーボード奏者は今では鉄道業界を陰で支える存在だ。持ち前のセンスで発車メロディーや運転シミュレーターを創造してきた。鉄道と音楽。畑違いの世界を融合し、「メード・イン・ジャパン」復活に挑む。
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苦境に挑む「志の男」
日本では数少ない、成功した半導体ベンチャーの創業者。そのカリスマ経営者に「テレビ不況」という時代の波が襲う。苦境に臨む後ろ姿には、日本中の技術者の視線が注がれている。
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農家は経営を語る
鹿児島県大隅半島に破格の農業経営者がいる。収益拡大、人材育成、IT。その手法は農業ではなく企業経営そのもの。「農業の産業化」を志す農家が、時代の空気に大きなうねりをもたらす。
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妥協知らぬ孤高のカリスマ
グラミー賞受賞17回。最新のテクノロジーを駆使し独自の音楽を構築し続ける。年間200本を超えるコンサートを世界で展開し、常にチケットは完売。妥協を許さない、ストイックな探究心が孤高の天才を支える。
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教育界のジャンヌ・ダルク
不登校の子供やその家族に救いの手を差し伸べる。現場からの教育改革を手がけるのは、若きエリート女性だ。自身の経験を基に、「認める」教育の拡充を目指す。
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電動バイクで世界一狙う
米国から戻り設立した電動バイクベンチャーが2年で国内最大手に。狙いは世界。若く優秀な人材とともに、破竹の勢いで海外展開を始める。日本を「挑戦する国」へ――。使命感が、スピード経営へと駆り立てる。
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中古車業界の“大魔王”
運命の糸に操られるかのように、銀行から中古車業界に身を転じた。ある事件がきっかけで、潰れかけた会社の立て直しに全力を尽くす。中古車業界に無関心だった男は、今、革命を起こそうとしている。
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生保のカーネルおじさん
還暦を迎える頃になってから生命保険会社を起業。元ニッセイのエリート社員が夢を実現した。挫折しそうな時に心を支えたのは「歴史の教訓」だった。
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フェイスブック市長の野望
ユニークな市政を連発し、佐賀県の小さな地方自治体を全国区に。その行動力には、大阪市長の橋下徹も一目を置く。「 混沌こそ活力の源泉」。その信念で地方から日本を変えようとしている。
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老舗旅館の宿痾を超えて
被災しながら、今も満室が続く人気温泉旅館「湯主一條」の20代目。生まれながらの若旦那は、老舗が抱える病に悩み続ける人生を送った。父が死をもって葬った宿痾、そこから人気旅館の「物語」が始まった。
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遅れてきた流通革命の雄
従軍体験で植えつけられた国家不信と、闇市という商売の原点──。戦後66年、急拡大する競合を横目に、着実に歩みを進め盟主の座に。「復興を国任せにできない」。齢85にして、流通主導の世直しに動く。
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克己する「ゲームの達人」
創業わずか2年の会社を、15億円で売却した。先進性と義理人情を兼ね備えたニュータイプの経営者。20代で成功を手にした起業家は、次の舞台を世界に据える。
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玩具3代目の一徹と修羅
柔和な表情の陰に時折見せる、老舗玩具メーカー3代目の意地と執念。「絶対に潰さない」。会社を守るため修羅と化し、蛮勇を振るい続けた。経営者の四半世紀は、父を否定し、そして追い求めた苦悩の歴史だった。