2011年10月10日号
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特集 ニッポンの稼げる技術100
「革新力衰退」は誤解
ここ数年、研究開発の効率悪化が指摘される日本企業。だが、「革新的なテクノロジーを生み出す力」が衰えたわけではない。苦境の中でも、世界市場を席巻する新技術は着実に育っている。
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特集 ニッポンの稼げる技術100
技術王国、復活前夜(1)
日本経済の再興には、日本製品の競争力回復が欠かせない。ここで紹介するのは、日本を支える主要6分野の「稼げる技術」だ。有効活用すれば、次の10年、日本製品は再び世界を驚かす。
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特集 ニッポンの稼げる技術100
技術王国、復活前夜(2)
「行くぞー!ではなく、イグゾーです」。シャープの片山幹雄社長が上機嫌で紹介するのが、今年10月から順次増産する液晶パネル「IGZO(イグゾー)液晶」だ。
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特集 ニッポンの稼げる技術100
技術王国、復活前夜(3)
東日本大震災の衝撃に耐えられなかった東京タワー。先端部分が曲がった姿は記憶に新しい。一方の東京スカイツリー。完成後は634mと、東京タワーの2倍近い高さになる。世界一高い自立電波塔となるスカイツリーは、首都直下型地震にも、2000年に1度の暴風にも耐えられるよう設計されている。2012年5月の開業に向け、建設工事は大詰め。これまでの常識を超える高さを実現するために、設計や素材、施工など随所に日本の技術の粋が注ぎ込まれている。
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特集 ニッポンの稼げる技術100
技術王国、復活前夜(4)
機能性素材の製造技術では、花王が開発し生産工程に取り入れる「亜臨界生産技術」が注目される。
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特集 ニッポンの稼げる技術100
技術王国、復活前夜(5)
今年6月、横浜港を出航した自動車運搬船「アウリガリーダー」は、名古屋港などを経由してシンガポールへ向かった。アジア航路を出て南米、北米を経由し、現在は中東沖を航行している。その甲板で、太陽光を浴びてきたのが、太陽電池パネルだ。ディーゼル発電機で得た電力と、太陽から得た電力を巨大な蓄電装置にため込んで、船内電力や港湾作業で使う。
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特集 ニッポンの稼げる技術100
技術王国、復活前夜(6)
テレビ放送の高画質化も日本の得意分野だ。NHKが2025年に「スーパーハイビジョン」の放送開始を目指している。現在の「ハイビジョン」より画素数が16倍、走査線は4倍になる。シャープとともにスーパーハイビジョンテレビも開発した。NHKはこのスーパーハイビジョンを応用した3D(3次元)テレビの開発にも取り組む。
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特集 ニッポンの稼げる技術100
本物は必ず日の目を見る
堀場製作所の本業は分析・計測機器の開発です。世の中のあらゆる物質の成分を、正確かつ簡単に安く分析する需要はいつの時代もなくならない。それなら、人々が必要としている分析技術をとことん追求し続けよう──。そんな信念で1953年の設立以来、事業を続けてきました。
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特集 ニッポンの稼げる技術100
内憂外患これで解決(1)
資源や人手不足に職場のストレス増大と、経営環境は悪化するばかり。地震や放射能問題、高齢化社会の到来など、そこに暮らす人々の不安も尽きない。そんな日本企業・日本社会の悩みも、技術の力があれば解消できる。
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特集 ニッポンの稼げる技術100
内憂外患これで解決(2)
「今日はストレスがたまりすぎているようなので、早めに帰ります」。未来のオフィスでは、そんな言葉が交わされているかもしれない。社員のストレスの蓄積は、仕事の生産性の低下を招くため、企業にとってもマイナスになる。労働環境の改善は日本企業が今後も抱えるテーマだ。
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特集 ニッポンの稼げる技術100
内憂外患これで解決(3)
福島第1原子力発電所の事故で全国にばらまかれた放射性物質。「この野菜は食べても大丈夫か」「子供を外で遊ばせてもいいか」――。目に見えない恐怖と長い間戦うことになる日本人に、心強い技術が登場している。
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特集 ニッポンの稼げる技術100
内憂外患これで解決(4)
床やベッドに横たわった高齢者を軽々と抱き上げ、車いすまで優しく運ぶ。将来の介護現場では、ロボットも主役の1人になる。
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特集 ニッポンの稼げる技術100
カーボンの世紀到来「錬炭素術師」になる
稼げる技術の筆頭に「炭素繊維」を挙げたい。炭素繊維は、あらゆる産業で使われる可能性を秘めています。クルマや航空機の軽量化や風力発電などは、ごく一部にすぎません。
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特集 ニッポンの稼げる技術100
世界を救う日本の知恵(1)
次世代エネルギー、難病治療、災害・テロ対策、食料難解決…。日本の技術は、世界の危機を一掃する力も併せ待つ。その存在は、この国が再び輝きを取り戻すうえで大きな助けになる。
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特集 ニッポンの稼げる技術100
世界を救う日本の知恵(2)
水と一緒にのみ込んだカプセルが胃の中を泳ぎ回り、病気の兆候がないかを探る。胃を調べ終わったら、次は十二指腸、そして小腸へ――。そんな簡便な検査で難病を早期発見できれば、治療の効果はぐっと高まる。
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特集 ニッポンの稼げる技術100
世界を救う日本の知恵(3)
5月上旬、東日本大震災による津波で甚大な被害を受けた宮城県の沿岸部に、1台のマシンが運ばれてきた。地上に降り立ったマシンは、2本の腕を巧みに使い、折り重なった瓦礫を次々と片づけていく。このマシンこそ、日立建機の双腕作業機「ASTACONEO(アスタコネオ)」だ。
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特集 ニッポンの稼げる技術100
世界を救う日本の知恵(4)
昨年12月、1台のコンテナがアラブ首長国連邦・ドバイに出荷された。家電製品を運ぶためではない。実は、このコンテナは植物工場。その使命は、現地で野菜を栽培することにある。
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特集 ニッポンの稼げる技術100
世界を救う日本の知恵(5)
北アフリカのアルジェリア第2の都市オラン近郊に来年、日産水量50万m3という世界最大規模の海水淡水化プラントが稼働する。このプラントの中核技術、海水から塩分を除去する特殊樹脂のRO膜(逆浸透膜)を受注したのが東レだ。
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特集 ニッポンの稼げる技術100
反常識の機体で 航空業界に革新
2012年から小型航空機「ホンダジェット」の量産を開始します。燃費は同クラスの従来機を15~20%も上回り、キャビン(客室)は25~30%も広い。座席は1クラス上のビジネスジェット並みのゆとりがあります。ライバルを圧倒できると考えています。
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特集 ニッポンの稼げる技術100
日本が超能力を売る日
人の思いを感じ取る装置、絶滅動物の再生、長寿命化、宇宙の解明…。日本の技術は、SFの世界を具現化する可能性も秘めている。諦めることなく革新的研究を継続する先に、技術大国復権の道がある。
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特集 ニッポンの稼げる技術100
研究者を「憧れの職業」に
再生医療の切り札「iPS細胞」を発見し、日本で最もノーベル賞に近い研究者と言われる。発見から5年が経った今も、実用化を目指して必死の研究が続く。山中教授が語る、日本が「稼げる技術」を生む方法とは。