2011年10月31日号
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特集 次代を創る100人
豊田 章男[トヨタ自動車社長]
閉塞感が漂う日本を変えようとする人たちがいる業界の壁を打ち破り、強烈な変化を巻き起こす――その時、ゲームのルールは根底から覆る
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特集 次代を創る100人
橋下(はしもと) 徹[大阪府知事]
大阪府財政非常事態宣言に始まり、教育改革、府庁移転問題、そして、大阪府と大阪市の二重行政解消を狙う大阪都構想…。矢継ぎ早に政策を打ち出し、仮想敵を設定したうえで、トップダウンで方針を決めていく橋下徹の政治手法については、「独裁」「唯我独尊」といった風評がついて回る。
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特集 次代を創る100人
村上 太一[リブセンス社長]
かつて証券業界でも、画一的に供給を増やせば需要が創出できた。だが時代は変わり、多様化するニーズに応える独創的なビジネスモデルとパッションが求められている。
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特集 次代を創る100人
古賀 茂明[元経済産業省官僚]
官僚組織の中にいて、なぜこの人は本音で語るのだろうか。官僚批判を綴った著書『日本中枢の崩壊』がベストセラーになった古賀茂明さんについて、不思議でならなかった。ある時、彼がこうポツリと漏らした。「大腸ガンになって本音で生きようと思った」。それで疑問が解けた。彼はそれから、「正しい」と思う心に忠実に生きてきたのだ。
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特集 次代を創る100人
佐野 陽光(あきみつ)[クックパッド社長]
慶応大学が湘南藤沢の地に、従来にはない新しいコンセプトのキャンパス(SFC)を作ってから、約20年が経過した。その中でSFC出身の斬新な起業家が各分野で活躍するようになった。私は彼らを「SFC新人類」と呼んでいるが、その先駆的代表者の1人が、佐野陽光氏だ。SFC新人類の特徴は、厚かましいほどの大きな夢を持ち、大胆な行動力を発揮すること。彼の生き方そのものだ。
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特集 次代を創る100人
柳井 正[ファーストリテイリング会長兼社長]
語弊を恐れずに言えば、伊藤忠商事からユニクロに転職し、幸運にも業績が急拡大した時の僕は自信満々だった。それだけに業績が危機的に悪化した時は怖くて仕方なかった。2002年に社長就任を打診された時に断ったのは、断ったのではなく逃げただけだ。
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特集 次代を創る100人
高島 宏平[オイシックス社長]
高島さんが2000年に起業したオイシックスは、無添加など安全性に配慮した農産物や加工食品をインターネットで販売するベンチャー企業である。あえて業種を分類すれば、ネット業界に区分されるのだろう。
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特集 次代を創る100人
高原 豪久(たかひさ)[ユニ・チャーム社長]
矛盾を平気で許容できる人物である。一言で評するならば、「謙虚で頑固な国際派」。
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特集 次代を創る100人
前澤 友作[スタートトゥデイCEO]
ファッション専門通販サイト「ZOZOTOWN」。前澤さんはこのサイトを運営するスタートトゥデイを若くして設立し、国内最大規模に成長させた。彼はEC(電子商取引)の重要なポイントを、商品・サイト・集客・物流の4つだと話している。
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特集 次代を創る100人
澤田 秀雄[ハウステンボス社長]
「創業者」はカネを使って新しいことに挑戦し、「経営者」は緻密な計算によって利益を生み出す――。本来、違う性格だと思っていたが、澤田君はこの2つを併せ持っている。格安旅行代理店に始まってホテル、航空会社、そして巨大なリゾート施設の再建まで乗り出した。驚くほかない。僕は明らかに創業者タイプであって、緻密に組み立てた再建プランを遂行する経営者にはなれない。
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特集 次代を創る100人
枋迫 篤昌(とちさこ あつまさ)[マイクロファイナンス・インターナショナル・コーポレーション(MFIC)社長]
送金革命の旗手。2003年に米ワシントンで、貧困層が利用できる金融サービス会社、MFICを創業した。全米で4000万人とも言われる銀行口座を持たない中南米などからの出稼ぎ労働者に、格安の送金サービスを提供している。海外送金では、犯罪歴などの問題がないか確認しなければならない。枋迫の送金システムは、送り手と受け手の名前から瞬時に問題の有無を確認できる。今や米連邦準備理事会が全米の金融機関に推奨・提供する送金システムとなっている。
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特集 次代を創る100人
谷島 賢[イーグルバス社長]
「バス会社の社長」というものに、失礼ながら、谷島さんに会うまでは、全く違うイメージを持っていた。彼が大手バス会社が放り出した赤字路線を、黒字化した伝説は知っていた。だが、これほど優れた戦略を持ち、スピードの速い決断をする人だとは。
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特集 次代を創る100人
小松 真実(まさみ)[ミュージックセキュリティーズ社長]
東日本大震災後、小松さんは被災した中小企業のためにファンドを立ち上げ、資金面での支援を進めている。素晴らしいと思う。年が若く、フットワークが軽いということもあるが、「何に困っているか」ということを探していく意欲を強く受ける。
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特集 次代を創る100人
星野 佳路(よしはる)[星野リゾート社長]
観光庁長官に就任する直前、星野リゾートを扱うテレビ番組を見て、あくまでも消費者目線でホテルや旅館を再生させる星野さんの存在を知った。ちょうどその時、国土交通省の成長戦略会議の委員にもなっていた。
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特集 次代を創る100人
鈴木 康弘[セブンネットショッピング社長]
イトーヨーカ堂の衣料部門の再建を託された僕が、志半ばにして病に倒れた時、親身に相談に乗ってくれた。僕にとって彼は、かけがえのない人物だ。話の途中でおもむろにホワイトボードを使って、これから僕が果たすべき社会的役割を説明し始めた。
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特集 次代を創る100人
水戸岡 鋭治[ドーンデザイン研究所代表]
かつて駅や鉄道といった公共施設は贅沢な場所だった。一流の職人たちが空間作りに携わり、本物の調度品を揃えていたからだ。だが工業化の波にのまれ、今では味気ない空間が広がる。
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特集 次代を創る100人
桜井 勝延[南相馬市長]
2010年7月、福島県南相馬市に講演に行った時、桜井勝延市長に出会った。「面白い市長だな」と思った。彼とのつき合いはそれ以来、より強いものになった。
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特集 次代を創る100人
土屋 嶢(たかし)[大垣共立銀行頭取]
「つき合いたい銀行」でメガバンクを抑えて全国トップに選ばれている大垣共立銀行。18年にわたって頭取を務める土屋嶢を抜きにして、輝かしい同行の名声はあり得なかっただろう。
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特集 次代を創る100人
金子 三勇士(みゆじ)[ピアニスト]
「みゆじ」の名が既に、音楽=musicそのものを感じさせる。日本とハンガリー、2つの祖国を持つコスモポリタンは2010年にデビューCDをリリース。21世紀を担うピアノの名手(ヴィルトゥオーゾ)として、大きな第一歩をしるした。
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特集 次代を創る100人
トニー・フェルナンデス(Tony Fernandes)[マレーシア・エアアジアCEO]
出会った人とすぐに打ち解け、誰とでも分け隔てなく接し、いつしかファンにしてしまう。今年4月、彼に初めて会いすっかり意気投合し、日本でエアアジア・ジャパンを設立することとなった。
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特集 次代を創る100人
吉本 哲郎[地元学ネットワーク主宰]
哲ちゃんとの出会いは16年前になる。私が中心になって運営していた旧気仙町の「気仙町けんか七夕祭り」が日本ふるさとづくり大賞をもらって、その賞状とトロフィーを取りに熊本県水俣市に行った時に出会った。すぐに意気投合して、岩手県陸前高田市横田地区に哲ちゃんを呼んで「高田地元学」を始めた。
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特集 次代を創る100人
木村 宏[日本たばこ産業社長]
日本たばこ産業(JT)の木村社長は過去2回、海外M&A(合併・買収)で内需型企業を大変身させた。最初は経営企画部長として携わった1999年の米RJRナビスコの海外たばこ事業部門(RJRI)の買収だ。直後に海外事業を統括するスイス子会社に乗り込み、日本人トップとして海外事業を指揮。RJRI出身者を活用することでJT本体の海外経験不足を補い、ロシア財政危機などで不振が続いていた買収先の事業を立て直した。
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特集 次代を創る100人
高橋 誠[KDDI専務]
とにかく注文の多いレコード業界の声に、誠さんはいつも最後まで耳を傾けてくれる。知り合ったのは10年ほど前。携帯電話に音楽を丸ごと1曲配信するなんて、当時は考えられなかった。「CDが売れなくなる」「違法コピーはどうする」「音質は大丈夫か」。こうした不安を取り除いたうえで、曲の販売価格まで我々に任せてくれたのだから驚きだ。
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特集 次代を創る100人
村井 嘉浩[宮城県知事]
平時と危機時とで、リーダーに求められる資質は違う。オーケストラの指揮者に例えれば、前者は演奏家の個性に配慮しつつ、演奏を調和させることに心を砕くことが重要だ。一方、後者では、多くの演奏家が演奏不能になるといった状況下で、自らプレーヤーとしての役割も担いつつ、気持ちを1つの方向に持っていかなければならない。
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特集 次代を創る100人
速水 亨[速水林業代表]
目の前には人工林とは思えない光景が広がっている。三重県紀北町の「大田賀山林」。国内有数の林業家、速水林業が所有する山林だ。「林業とは光を管理すること」。そう速水が語るように、適度に間伐されたヒノキの山林は下草が生い茂り、多様な植生が根づいている。
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特集 次代を創る100人
新浪 剛史[ローソン社長]
無から有を生み出すそれが業界に新風を吹き込み、舞台は海をも超える彼らはどこまで神の領域に近づくのか
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特集 次代を創る100人
荒木 飛呂彦[漫画家]
荒木飛呂彦を語るなら、『ジョジョの奇妙な冒険(以後、JOJO)』を知ることだ。JOJOシリーズは100巻を超えてもなお続く連載漫画であり、新しい体験を読者に与え続け、今年25周年を迎えた。
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特集 次代を創る100人
似鳥 昭雄[ニトリホールディングス社長]
ニトリホールディングス社長の似鳥昭雄氏の生涯を、同社のコマーシャル「お、ねだん以上。」にもじれば「お、御苦労以上。」だ。一業を興した人にはみな、苦労と知恵と勇気と幸運の物語がある。中でも似鳥昭雄氏の人生はすさまじい。
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特集 次代を創る100人
栗城 史多(くりき のぶかず)[登山家]
「登山は孤独な戦い」。この既成概念をひっくり返し、「冒険の共有」という新境地を切り拓いたのが、栗城史多である。見た目は29歳の、ごく普通の若者。だが夢はとてつもなく大きい。単独・無酸素での世界7大陸最高峰制覇という前人未踏の目標を掲げたうえに、その瞬間をインターネットで中継しようとしているのだから。
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特集 次代を創る100人
岩瀬 大輔[ライフネット生命保険副社長]
35歳の若さで、目標から逆算して「やるべきこと」を経営に落とし込む術を知っている。そんな未来を見通す眼力に優れた岩瀬は、5年前、日本で74年ぶりとなる新規の独立系生命保険会社を設立した。そして「ネット生保」なる言葉を生み出した。「複雑」の代名詞だった保険商品をいともシンプルに作っていった。
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特集 次代を創る100人
川添 高志[ケアプロ社長]
静けさの中に燃えるものがあるサムライ。市民に必要なサービスをゼロから作り上げる彼のような若い志士を、私は見たことがない。
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特集 次代を創る100人
奥田 政行[アル・ケッチァーノ オーナーシェフ]
かなり前から噂を聞いて、一度は行ってみたいと思っていたんですが、ようやく念願がかなったのは3年前。1皿目から「これは本物だ」と確信しました。
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特集 次代を創る100人
妹島(せじま) 和世[建築家]
1995年に西沢立衛と共同設計事務所SANAAを設立して以来、「金沢21世紀美術館」や「ROLEXラーニングセンター」など世界が注目するユニークな建築をデザインしてきた。2010年は建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞。世界で最も注目されている、次代をリードする建築家と言える。
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特集 次代を創る100人
窪田 良[米アキュセラ会長兼社長兼CEO]
「加齢黄斑変性症」。目の網膜の中央にある黄斑が光を浴び、老廃物がたまることによって視力が衰える病気のことだ。全米では2000万人の患者がおり、その1割が最終的に視力を失う。窪田君は、この難病の治療薬を生み出すため、米国・シアトルにアキュセラを設立、世界中から集まった研究者とともに研究開発を進めている。
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特集 次代を創る100人
有賀 雄二[勝沼醸造社長]
日本の国産ワインが世界のワイン愛好家や飲食業界から大きなエールを送られ始めている。その中で、勝沼醸造は極めて高い評価を得ている。
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特集 次代を創る100人
金井 誠太[マツダ副社長]
広島出身、機械工学専攻の金井誠太はカーマニアではなかった。だが、マツダに入社し、初めて設計した小さなホイールキャップが試作車に取りつけられたのを見た時、彼の「モノ作り」の心眼が開いた。
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特集 次代を創る100人
本間 毅[米ソニー・エレクトロニクス社員]
シリコンバレーでの活躍を目指して渡米する若き起業家の卵たちに、親身に世話をする現地日本人の中でも、強いオーラを放っているのが本間毅氏だ。彼は現在、ボランティアで起業家たちの支援を行っている。
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特集 次代を創る100人
熨斗(のし) 麻起子[可宝得環保技術有限公司・総経理]
性別役割分担意識が色濃く残り、女性が生きづらい狭いニッポンを飛び出し、ボーダーレスに活躍する日本女性が増えている。海外に定住しビジネスを行う日本人を「和僑」と呼ぶが、熨斗麻起子はその「女性和僑」の代表だ。
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特集 次代を創る100人
吉田 友哉[NTTコミュニケーションズ社員、インターネットマルチフィードに出向中]
吉田君とのつき合いは、彼が創設した日本版IRR(インターネットで情報転送のナビゲーションに必要な経路台帳システム)に関する研究を私の研究室の学生が始めたことがきっかけだった。もともとは若手の研究パートナーだったが、気がつくと彼は「Mr.OCN」と呼ばれ、我が国最大のインターネット接続事業者の設計と運用を担う会社の顔になっていた。
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特集 次代を創る100人
井口 尊仁[頓智ドットCEO]
やるなら世界レベルでやる――。その言葉通り、彼は米シリコンバレーで、トップクラスのベンチャーキャピタリストたちを前に、拍手喝采を浴びていた。2008年、ベンチャー企業のアイデアを競う世界イベント「TechCrunch50」の舞台でのことだ。
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特集 次代を創る100人
清水 浩[慶応大学教授、シムドライブ社長]
清水先生との出会いは2009年1月のことだ。川崎市内にある研究室を訪問し、先生が開発したEV(電気自動車)「エリーカ」に試乗させてもらった瞬間、これは世界に普及させるべき技術だと確信した。
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特集 次代を創る100人
秋元 康[作詞家]
かつてはおニャン子クラブ、最近ではアイドルグループAKB48…。秋元康が才能を花開かせ、時代の寵児となった人は数知れない。時代を超えて数々のブームを起こす仕掛け人。まさにエンターテインメント業界のヒットメーカーだ。
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特集 次代を創る100人
阿部 泰浩[阿部長商店社長]
衰退する水産業、過疎化、震災復興――。三陸最大の水産加工会社である阿部長商店社長の阿部泰浩が直面する問題は、誰も解決できないものばかりだ。それでも、彼は立ち向かう。
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特集 次代を創る100人
ダルビッシュ 有[北海道日本ハムファイターズ投手]
「線が細いな」。第一印象はそう感じました。今はマウンドの上では圧倒的な迫力を感じますが、入団当時は、どこか繊細な感じ。当時のスカウティングリポートには、150km以上の速球の魅力について書かれていましたが、「手首が柔らかく、ボールをうまく操る」と、技巧派的な記載もあったように思います。
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特集 次代を創る100人
上原 ひろみ[ジャズピアニスト]
現在のアメリカのジャズEシーンで、最も著名な日本人と言えば、Hiromiこと上原ひろみに違いない。浜松市出身で、幼い頃、ヤマハに才能を見いだされた。10代の頃、チックEコリアら巨匠と共演するチャンスをつかみ、高く評価された。米バークリー音楽大学の作曲科を首席で卒業する直前に、伝説のピアニスト、アーマッド・ジャマルに認められ、米レコード会社からデビュー。その夏ニューヨークで彼女を見た時のことは忘れられない。
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特集 次代を創る100人
カルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)[日産自動車社長兼CEO]
「この人は、日産自動車の強さがどこにあるのかを知り抜いている」。カルロス・ゴーンにインタビューした際にそう感じた瞬間があった。東日本大震災の発生直後、彼は滞在先のフランスからすぐに帰国。福島県いわき市にある工場に入った。東京電力福島第1原子力発電所にも近い、いわば「危険地帯」である。「外国人が逃げ出す中、なぜそうしたのか?」と聞くと、「私は日産の社長。なぜトップが真っ先に現場に入ることが不思議なのか」と逆に問いただされた。
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特集 次代を創る100人
澤 穂希(ほまれ)[サッカー日本女子代表]
15歳で日本代表に選ばれた澤穂希の成長とともに、日本女子サッカーは進化してきたと言っても過言ではない。そして澤も、「日本の女子サッカー発展のために」と戦ってきた。
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特集 次代を創る100人
香川 照之[俳優]
香川さんに初めて会ったのは、テレビ番組の収録で石垣島にご一緒した時です。初対面なのに、いきなりボクシングについて語り始めて。
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特集 次代を創る100人
イーロン・マスク(Elon Musk)[テスラ・モーターズ会長兼CEO]
日本の命運を左右する存在。イーロン・マスクの過去と今を俯瞰すれば、そう評するしかない。インターネット決済のPayPalを創業し、注目の電気自動車ベンチャー、テスラ・モーターズのトップを務める。そんなシリコンバレーの有名経営者は、なぜか日本に縁が深い。彼は2度、「日本の危機」を救っている。
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特集 次代を創る100人
小泉 進次郎[衆院議員]
最近の若手議員は顔も名前も分からない――。そんな声が広がる中で、抜群の存在感と人気を誇る。それが当選わずか1回の小泉進次郎(30歳)だ。
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特集 次代を創る100人
石川 遼[プロゴルファー]
スポーツのパフォーマンスは、4要因で構成される。「心・技・体・生活」だ。昨今は栄養学やトレーニング手法の進化もあって、技と体では大きな差がつかない。つまり、心と生活が大きな要素になる。
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特集 次代を創る100人
芦田 愛菜(あしだ まな)[女優]
「過去にも天才子役はいたけれど、彼女は役者に見えない。『ほんと』に見える」と糸井重里に言わせたのが、芦田愛菜だ。
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特集 次代を創る100人
木村 秋則[りんご農家]
脳を出入力機械のように捉えると、限界がある。感動など様々な要素が複雑に絡み合って、脳は機能している。木村さんの畑を見た時、複雑な生態系が生み出す美しさがあった。それに引かれて何度、足を運んだことか。
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特集 次代を創る100人
小林 可夢偉[レーシングドライバー]
可夢偉を最初に知った頃、彼は才能あふれる数多くの卵たちの1人だった。その可夢偉が、今では日本のモータースポーツ界を背負って、世界で戦っている。
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特集 次代を創る100人
香川 真司[独ボルシア・ドルトムント]
最初に香川君を見たのは、彼がまだ高校2年生なのにセレッソ大阪に入団した時のこと。そして紅白戦をやったのだが、ボールコントロールが巧みで奪われない。そのうちブラジル人選手のブルーノ・クアドロスなどが騒ぎ出した。「あいつ、すごいよ」って。その後もチームに同世代の乾貴士という良きライバルがいて、磨かれていった。
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特集 次代を創る100人
垣内 悠希[指揮者]
「何とか間に合ったな」。垣内君が今年9月、仏ブザンソン国際若手指揮者コンクールで優勝した時、私はまずこう感じた。指揮者の世界のタイムリミットは35歳。これを超すとコンクールにさえ参加できなくなる。
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特集 次代を創る100人
吉田 昌郎[東京電力福島 第1原子力発電所所長]
「フクシマ50」。そんな言葉が欧米メディアを中心にわき上がったのは東日本大震災直後のことだった。冷却機能の停止や水素爆発が繰り返される中で、一時は約50人が現場に踏みとどまり、復旧に当たった。中心で指揮したのは吉田昌郎所長。彼らの行動に世界が驚愕した。
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特集 次代を創る100人
林 芳正[参院議員、自民党政調会長代理]
「普通の人」と言えば、何でもない人のように聞こえるかもしれないが、林芳正氏の強みの1つはそこにある。政治家一族として4代目。東京大学卒のエリートだが、そういうにおいを感じさせない。それが信頼感を抱かせる。
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特集 次代を創る100人
小川 賢太郎[ゼンショーホールディングス社長]
「世界から飢餓と貧困を撲滅する」。初めて会った時、彼の抱くビジョンを聞いて正直驚いた。けれども彼が自信を持って話すことには相当の裏づけがあるに違いない。そう思わせる何かを感じた。
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特集 次代を創る100人
三木谷 浩史[楽天社長兼会長]
「すごい日本人だ」。彼が旧日本興業銀行在籍中に出会い、独立して楽天を立ち上げ、日本を代表するEC(電子商取引)企業に成長した現在まで、ずっと見てきた。その間、彼に対する印象は1mmも変わらない。
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特集 次代を創る100人
白川 方明(まさあき)[日本銀行総裁]
ねじれ国会の同意人事騒動の果て“3度目の正直”で選任された白川方明・日銀総裁の評価は「結果オーライ」で定着して久しい。学究肌の理論と経験手腕の実務に裏打ちされた人格・見識は日本経済に対する数少ない信用材料の1つ。日銀では信用機構課長、企画課長などの主要ポストを歴任した。国際会議のたび、白川総裁の発言が注目される。特にバブル崩壊後に日銀が打ち出した果敢な非伝統的政策を欧米諸国が採用し始めてからだ。白川総裁は、“失われた10年”でトラブルシューターとして活躍した。講演テキストが国際金融界で広く“教科書”として読まれるゆえんである。
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特集 次代を創る100人
関家 一馬[ディスコ社長]
創業家の3代目。45歳の若社長だが、関家一馬が社長になって以降、ディスコはさらに強靱になっている。世界シェア70%。強烈な競争力を誇る半導体ウエハーの切断装置や研削装置といった製品群は市場で高い評価を受けている。そこに加えて、関家は経営のソフト面で、考え抜いた独自の強化策を次々と埋め込みつつある。
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特集 次代を創る100人
前原 誠司[衆院議員、民主党政調会長]
歯切れのいい物言いなどから、世論調査では常に「民主党で期待する政治家」の上位にランクされる。その人気を頼みに、今年8月の民主党代表選に打って出たが、3月の外相辞任の原因となった外国人献金問題などが響き、苦杯をなめた。
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特集 次代を創る100人
佐々木 則夫[サッカー日本女子代表監督]
ワールドカップ優勝がスポーツビジネス界にもたらした影響は計り知れない。佐々木率いるチームが奏でた「ストーリー」の成果である。澤穂希を中心にした選手と「なでしこ伝説」を国民が咀嚼している。物語を演出した佐々木の手腕を認めざるを得ない。ストーリーがチームとファンの間を絆で結び、勝利に導いた。
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特集 次代を創る100人
岡藤 正広[伊藤忠商事社長]
1980年代のバブル直前に社会人入りした僕ら世代の人間にとって、「ジョルジオ・アルマーニ」は誰もが憧れる高級ブランド。それを日本に持ち込んだ立役者が、伊藤忠商事の岡藤正広社長である。僕がNTTドコモ時代に伊藤忠さんとおつき合いしていたのが縁で、岡藤社長との親交が始まった。
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特集 次代を創る100人
重松 理[ユナイテッドアローズ社長]
古い駅ビルから脱却する試みの中で、重松氏の手がける「ユナイテッドアローズ」がルミネに出店してくれたことは、我々にとって大きな転換期となった。それ以降、私たちは共に歩み、成長を遂げてきた。
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特集 次代を創る100人
岡田 元也[イオン社長]
中国や東南アジアにも巨大なショッピングモールを立ち上げ、様々な企業を買収していく。そんな「巨大流通グループの総帥」と聞けば、誰もが野心的な人物像を思い浮かべるに違いない。だが、岡田元也の実像はイメージとは少し異なる。
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特集 次代を創る100人
田中 良和[グリー社長]
田中さん率いるグリーは、2004年の創業からわずか7年で、時価総額が5000億円を突破する日本有数のインターネット企業に成長した。にもかかわらず、当の田中さんは至って冷静だ。「ここまでは来たことがある」。こう語っていたことが印象に残っている。
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特集 次代を創る100人
山田 桂一郎[観光カリスマ]
地域振興のカギとなる観光。そのノウハウを各地に広める専門家として高い評価を得ているのが、山田桂一郎だ。学生時代の旅行で立ち寄ったスイス・ツェルマットでマーケティングとセールスプロモーションに携わり、ガイドとしても豊富な経験を積んだ。「そのノウハウを教えてほしい」という日本各地の要請に応じて、スイスと日本を行き来しては、地域振興のコンサルタント、自治体や政府への助言役としてフル稼働している。
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特集 次代を創る100人
岩村 康弘[三菱重工業 先進技術研究センター グループ長]
「錬金術」を簡単に信じる者はいない。それが「新元素変換」と呼ばれる耳慣れない技術によって実現すると言われれば、なおさらだ。岩村が2002年に発表した実験結果は当初、専門家の間でほとんど相手にされなかった。何しろ電球などに使われるタングステンが、常温に近い温度で貴金属であるプラチナに変化するというのだから。
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特集 次代を創る100人
梅原 真[グラフィックデザイナー]
文化を売る人が多い中で、梅原さんは文化を創り出すデザイナーを貫いてきた。彼の企画の1つに、自然の砂浜をそのまま美術館に見立てた「砂浜美術館」がある。初めて出会ったのは、その町でのことだった。
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特集 次代を創る100人
黒田 東彦(はるひこ)[アジア開発銀行総裁]
国際金融の世界で今、世界から最も尊敬と評価を集める日本人と言えば、黒田東彦・アジア開発銀行(ADB)総裁に違いない。大蔵省(現財務省)では早くから将来の財務官候補のプリンスと称されていた。国際通貨基金(IMF)への出向から戻った後は国際金融畑を長く歩み、国際局長時代はアジア通貨危機の対応で手腕を発揮。1999年に通貨政策を担う財務官に就任後は、多国間で通貨を融通する「チェンマイ・イニシアチブ」の実現やアジア債券市場の整備に貢献した。3年半という財務官の在任期間は歴代最長である。
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特集 次代を創る100人
山中 伸弥[京都大学 iPS細胞研究所長]
昨年は固唾をのんで見守っていたが、今年は「どっちでもエエ」という感じだった。それは、山中さん本人がノーベル賞に執着していないからだ。iPS細胞(新型万能細胞)は素晴らしい研究成果だが、医療現場で生かされているわけではなく可能性の段階。「まだ早い」と本人が言うように、社会で役に立つようになってからの話だろう。
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特集 次代を創る100人
石黒 浩[大阪大学大学院教授]
世界が「天才」と称賛するロボット工学者、石黒浩。2007年、英Synecticsは「生きている天才100人」に選出している。自分とそっくりに作った人間型ロボット「ジェミノイド」の映像は世界の研究者のみならず、テレビの前に座る人々をも驚愕させた。
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特集 次代を創る100人
小暮 真久(まさひさ)[NPO法人テーブルフォーツー代表]
開発途上国では約10億人が食料難に苦しんでいる。一方で、先進国はほぼ同数が肥満などの生活習慣病に悩む。この構図を解決しようと小暮氏が2007年から参画したのが、NPO法人のテーブルフォーツー(TFT)である。
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特集 次代を創る100人
小林 武史[音楽プロデューサー、ap bank代表理事]
Mr.Childrenやサザンオールスターズなどの音楽プロデューサーとして30年近く日本の音楽シーンを牽引し続けている小林武史さん。そんな音楽界の巨匠が、Mr.Childrenの櫻井和寿さんや坂本龍一さんと一緒に「apbank」という非営利団体を設立し、自然エネルギーへの融資や、日本各地の生産者と都市をつなげる活動、自然災害時の復興支援、農業生産法人の設立など、様々な活動を進めている。
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特集 次代を創る100人
束芋(たばいも)[現代美術作家]
創るべき未来はいったいあるのだろうか。そんな問いが私の心をよぎる。束芋の作品には、明るい未来への展望といった、人類成長神話へと帰依していくような楽観はない。従来型のアートを否定するのでもなく、喧伝された日本のアニメやかわいさを揶揄するような視線に、その作品群は満ちあふれている。
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特集 次代を創る100人
伊藤 穣一[米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ所長]
僕の母親とJoiの母親が従姉妹で仲が良かったので、僕も子供の頃から彼の自宅によく通っていた。昔から凝り性で多趣味。海外経験が豊富で、趣味の幅も恐ろしく広かった。小中学生の頃は一眼レフカメラや指輪物語のフィギュアを集めたり、僕にDevoやAC/DC、DavidBowieのレコードを初めて聴かせてくれたのもJoi。みんながゲームセンターでインベーダーゲームで遊んでいた時代に、中学生のJoiは自宅のパソコンでゲームをプログラミングして遊んでいた。驚きでしたね。
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特集 次代を創る100人
守安 功[ディー・エヌ・エー社長]
7月、共同出資会社、BDNAの設立について社長就任直後の守安功社長と議論したことがあった。ソーシャルゲームアプリを開発する共同出資会社に関してはすぐに合意できたが、「社内の手続きがあるので3カ月後をメドに発表しましょう」と言ったところ、「だったらやめましょう」と返された。「カチン」ときたが、「そうだよな」と苦笑いするしかなかった。
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特集 次代を創る100人
井上 愛一郎[富士通 次世代テクニカルコンピューティング開発本部長]
「2位じゃダメなんでしょうか」――。井上さんが開発を指揮したスーパーコンピューター「京」は、民主党政権の事業仕分けで蓮舫参院議員にこう指摘されて一躍有名になった。
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特集 次代を創る100人
村上 春樹[作家]
世界の防壁が崩落し、その黒々とした亀裂から「外部」が滲出してくる時、それに気づいて壁を補修し、「外部」を押し戻し、世界の秩序を回復することを主務としている人たちがいる。「歩哨」とも「キャッチャー」とも呼ばれる。村上春樹は一貫して、この「歩哨」たちの報われることの少ない仕事を描いてきた。その仕事が果たされたせいで何も起こらなかった仕事。
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特集 次代を創る100人
スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)[アップル創業者]
スティーブ・ジョブズの前にジョブズなし。ジョブズの後にジョブズなし。彼のような傑人は二度と現れないだろう。最期まで彼らしい生き方だった。10月5日、息を引き取る直前まで、CEOのティム・クックを呼び、次の製品構想について話し込んでいた。自分の世界観にこだわり、それを具現化するために執念を燃やし続けた。スティーブほど製品を愛し、細部にまでこだわり抜いた人間を私は知らない。